登山が趣味ならエベレストでしょ
氷河って氷の上を渡るんじゃないの!
「氷河って氷の上を渡るんじゃないの!」
これが正直な感想だった。
カラパタールへ向けて北上していくと、途中で氷河を渡ることになるのは地図で知っていたが、てっきり何千年もの歳月でできた厚い氷の上を渡るものだと思っていた。
しかし、たどり着いたのは岩と砂利ばかりの一帯。大小の岩が無作為に積み上げられたような場所で、草木はおろか土さえもない。「ここから氷河です」なんて気の利いた看板は当然ありはしないが、歩いた距離から氷河としか考えられないから氷河だと分かっただけである。
この氷河の横断がトレッキングルートになっているのだが、道と道のような筋が混在しているので、地図は頼りにならない。道かどうかは砂利の上に微かに残った足跡でしか確認できないのだが、岩場が続けば当然足跡も見つからなくなる。迷いやすいので、コンパスと足跡を注意深く確認することが必要だ。
この時考えていたことは主に3つ。
1つは、冒頭の「氷河って氷の上を渡るんじゃないの!」ってこと。
1つは、「月ってこんな感じかな」ってこと。
1つは、「誰かが道を間違えたら、その足跡をたどって皆も遭難するんだろうな」ってこと。
高山病になると、正しい判断ができなくなるそうだが、余計なことまで考えられた僕は、ある意味高度順応ができていたってことなのかも知れない。
これが正直な感想だった。
カラパタールへ向けて北上していくと、途中で氷河を渡ることになるのは地図で知っていたが、てっきり何千年もの歳月でできた厚い氷の上を渡るものだと思っていた。
しかし、たどり着いたのは岩と砂利ばかりの一帯。大小の岩が無作為に積み上げられたような場所で、草木はおろか土さえもない。「ここから氷河です」なんて気の利いた看板は当然ありはしないが、歩いた距離から氷河としか考えられないから氷河だと分かっただけである。
この氷河の横断がトレッキングルートになっているのだが、道と道のような筋が混在しているので、地図は頼りにならない。道かどうかは砂利の上に微かに残った足跡でしか確認できないのだが、岩場が続けば当然足跡も見つからなくなる。迷いやすいので、コンパスと足跡を注意深く確認することが必要だ。
この時考えていたことは主に3つ。
1つは、冒頭の「氷河って氷の上を渡るんじゃないの!」ってこと。
1つは、「月ってこんな感じかな」ってこと。
1つは、「誰かが道を間違えたら、その足跡をたどって皆も遭難するんだろうな」ってこと。
高山病になると、正しい判断ができなくなるそうだが、余計なことまで考えられた僕は、ある意味高度順応ができていたってことなのかも知れない。