登山が趣味ならエベレストでしょ

登山が趣味ならエベレストにも登ってみたいですよね。トレッキング開始からの詳細を写真と文章で紹介します。エベレストの写真が見たいだけの方も、エベレスト登山を考えている方も、是非ご覧ください。なお、山の名前等に誤りがある恐れがありますので、正確な情報はガイドブック等をご覧ください。

登山が趣味ならエベレストでしょ

ネパールの山奥であしたのジョー体験

一日目はモンジョ(Monjo)に泊まることにした。ここモンジョはサガルマータ国立公園の手前の村で、次の目的地ナムチェまでもそう遠くない。中継地点としてはいいロケーションだ。高度は2835mでルクラ(2840m)とほぼ同じ。

ここモンジュで適当に小奇麗そうな宿を見つけ中に入ると、日本語が話せる主人がいた。建物は2階建てで庭も手作りだけど全体的に綺麗にできている。入り口には手洗いがあり、トイレは建物内にある。なかなかの所だ。

2階の部屋に案内された後は、早速シャワーでさっぱりすることにした。この辺りのシャワーは「沸かしたお湯をシャワールームの上に設置し、そのお湯がなくなったら終わり」という簡単な作りだ。この作りに見覚えがある。あしたのジョーに出てくるジムのシャワーと同じだ。まさか21世紀にこれを体験するとは…。

突然だがシャワーのポイント
 1.水量に限りがあるので、体が温まるのを待たずに洗い出すこと。
 2.シャワールームは例外なく寒い。素早く動いて自己発熱すること。
 3.環境を考え、洗剤は石鹸などの天然素材を選ぶこと。
 4.突然お湯が切れるので、すすぎを中心とした水配分に心がけること。
   (くれぐれもアワアワ状態でお湯を使い切らないように!)
 5.自然乾燥は無理なので、ストーブの火が点いているのを確認してから、シャワーを注文すること

山地ではシャワーも有料だが、その値段は宿泊料金や食事代に匹敵する。要するに、シャワーはできるだけ我慢すること、浴びるなら素早く洗うことである。明日からは控えることにしよう。

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「おんぶ」でも「だっこ」でもなく頭で…

シャワーの後、離れにある談話室のような場所で読書やら日記を書いていたら、そこの奥さんが入ってきた。

頭から籠をぶら下げたまま実に器用に掃除などをしている。籠の中身が気になったので見せてもらった。赤ちゃんだ。国によって「おんぶ」か「だっこ」かの違いがあるのは知っていたが、頭とは…。

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高山病のピンチ

夕食時、偶然出会ったトレッカーが日本人だった。自分と同年代の女性とそのお父さん。後々考えると、僕がこの登山で一番幸運だったことは、この時この二人に出会えたことだろう。

下山途中だった彼らから色々と教えてもらえた。まずは高山病対策。次にプランニング。それからおすすめのルートや景色。

僕はここまで、カトマンズで1泊、ここモンジュで1泊してきたが、高度順応のためには1泊少なかったらしい。カトマンズでも標高1400mあるため、「カトマンズで2泊モンジュで1泊」か「カトマンズで1泊パクディンで1泊モンジュで1泊」が理想だったらしい。

後から考えれば、ここで得た知識が非常に役になった。とはいえ、今日までの行動で高山病に耐えられるのだろうか…。

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高山病の症状と対策

高山病対策は本などにも載っていますが、ここで分かりやすく説明したいと思います。(本や詳しい人の話を参考にしてまとめたものです)

どうして高山病になるのか
 1.高地ほど酸素が薄くなる。
 2.同じ呼吸でも取り込める酸素の量が減る。
 3.血液中の酸素量も減る。
 4.ちょっとした運動も大変。常に酸欠状態。
要するに薄くなった酸素に体がついていけなくなるからですね。性別・年齢・体格・運動能力には関係ありません。(マラソンなどの高所トレーニングは、酸素の薄い高地で体を慣れさせ、トレーニングすることで、酸素の摂取率を高めることにあります。その酸素摂取率が高い状態で低地に戻ると、「酸素がよりたくさん取り込める=激しい運動もこなせる」となるんですね。)

高山病の症状(1が軽い症状)
 1.軽度の頭痛・食欲不振
 2.酷い頭痛・不眠・吐き気・休息時の動悸の乱れ・軽いチアノーゼ
 3.呼吸困難・口から泡を吐く・タンに血が混ざる・肺に水分を感じる
 4.意識不明・死亡
高山病は2500mくらいからなる可能性があるので、日本の山でも起こりえます。1の段階は誰もが経験することなので、無理をしないで回復させ、それから登ることが重要です。

高山病になったら
 1.しばらく安静にする
 2.高度を下げる(100m程度でも有効)
 3.下山する
高山病を治す薬はありません。軽い症状だったら、1か2で回復します。

高山病にならないために(これが一番重要です)
 1.水をよく飲み(1日3〜4ℓ)よく排泄する
   尿と共に二酸化炭素が排泄されるので、高度順応を助けます。
   夜中も我慢せずにトイレに行くことが重要です。
 2.前泊の高度から高度差500m以内の宿で宿泊する
   プランニングは、距離や体力ではなく、高度差で考えましょう。
   同じ村でも高度差があるので、体調と高度順応を考えて宿選びをしましょう。
 3.1000m上昇する毎に1泊余分に順応日を設け、休む
 4.目的地についても、すぐに休まない。
   高度順応には負荷が必要です。すぐに休むと高度順応が遅れます。すぐ寝るのは厳禁。
 5.目的地についた時、体調が良いようだったら、荷物を置いて、近くの高台まで登り、そこで30分以上過ごした後で宿泊地へ戻る。
   高度順応にはより高い負荷をかけてから高度を下げるのが一番早いです。実際にアルピニストは登山下山を繰り返しています。

薬や道具こちらもご覧下さい)
 1.Diamox(血管を拡張する薬)
   カラパタールの診療所でも処方されるので、休息日にもらっておくのもいいと思います。
 2.酸素ボンベ
   高度順応ができなくなるので、5500mくらいなら当てにしないほうがいいと思います。


私も早い段階で「高山病の症状1」を経験しました。その後「高山病にならないために」を忠実に実行しはじめたら、その後のトレッキングが楽になりました。

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頻尿体験で優しさを知る

この日の夜は人生初の「頻尿体験」だった。
山の夜は寒い。例え夜中に目覚めたとしても、我慢していたいものである。しかし、高山病対策の話を聞いていたので、我慢することなく懐中電灯を片手にトイレに向かうことにした。

夜中に何度か足音を聞いたが、皆も同様にトイレへ向かっているようだ。ここの主人が僕を一番奥の部屋にしてくれたのも、できるだけ物音の響かない静かな部屋へという配慮だったのだろう。自然な優しさに感謝。

<いよいよ二日目へ。>

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トレッキング二日目(12月16日)

いよいよ二日目がスタート。ここモンジョからナムチェまでは距離もさほどないので、朝はのんびりとできた。


モンジョを出ると、すぐにジョルサレ(Jorsale)に着いた。ここからはソル・クーンブ国立公園になるので、国立公園入域料Rs1000(1500円くらい)を支払わなければならない。ロッジやゲストハウスが一泊Rs100〜120くらいなことを考えるとかなりの高額だ。

支払い場所の小屋へは、2頭の大きな犬が案内してくれた。

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Larja Dobhanの村

今日の目的地であるナムチェの標高は3440mである。そして、その手前にある高低差500mの急勾配の坂を登らなければならない。最初の難関であろう。

目の前にあるLarja Dobhanの村が最後の休憩地だ。

改めて見てみて思った。村が自然に溶け込んでいる。

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ナムチェ手前の急勾配

橋の上で写真を撮る。ここを渡りきると、いよいよ急勾配の坂だ。

ナムチェの標高は3440mで、この地点は2900mくらい。富士山(3776m)にも北岳(3192m)にも登ったことがあったので、軽く見ていたが…甘かった。言葉では表現できないほど酷く疲労した。1人じゃなかったら、きっと愚痴を漏らしただろう。

これほど大変だった理由は、次の6つくらいだろうか。
 1.ここまでの日程が急だったため、高度順応ができていなかった
 2.飲み物を入れると10kg以上の荷物になるため、富士山の時よりも過酷だった
 3.以前より、体力が落ちていた
 4.日本ほど登りやすい道ではなかった
 5.巨大な荷物を運ぶシェルパに抜かれて、精神的ショックを受けた
 6.木陰もトイレ見当たらず、途中まで排尿を我慢しながら登っていた

十分な休憩を取りながら登ったので、なんとかなった。上の写真から1時間半後の写真がこれである。

周りの山と比べても、随分登ってきたのがお分かりいただけると思う。ここまで来ると、ナムチェまであと少し。

途中、治安維持のためだろうか、ライフルを装備した一団にも会った。